空家問題

誰も住まなくなった家をどうしますか?
実家を相続したけれど、自分自身はすでに家を買っていたり、遠方に住んでいるというケースは多々あります。
自分の住まいとしては不必要なものであったとしても、やはりそこには多くの思い出が詰まっており、誰も住まないからといって、簡単には処分が出来ないものです。
気持ちの整理がつくまでにはそれなりの時間も必要でしょう。

しかし、そんな『空家』も処分まで維持するための費用がかかります。
相続して、その家に住むのであれば相続税が軽減されるという特例もありますが、これはあくまで住む場合の特例であり、住まない場合は適用外です。
また住まなければ基本的には放置されるということにもなりますので、建物や庭のメンテナンスが必要にもなってきます。
住んでいれば気になるところを修繕したり庭の草木の手入れも出来ますが、住んでいなければ、注意していなければなりません。
遠方に住んでいるのであれば、定期的に見に行く必要がありますので、時間も交通費もかかるでしょう。
それを怠ってしまうと、ご近所から苦情が出てしまうようになります。
その苦情は役所へたまり、今度は役所から連絡が入るようになってしまいます。
そうなってからやっと処分に踏み切る方も少なくはありません。

国土交通省では、空き家対策特別措置法の全面施行に先立ち、市町村が特定空き家に対して必要な是正措置を講じる際のガイドライン案を公表しました。
この『特定空き家』に指定されると、非常に大きなデメリットがありますので注意が必要です。

そもそもなぜ『空き家』のままの物件があるのか?

これから土地を購入して、そこで新築を考えている方からすれば、土地は更地のほうが嬉しいものです。
実際に見に行った時も、そこでの新しい家の姿や生活風景を思い描けるものです。
そして何より「解体費用」が不要。 解体費用も決して安いものではなく、環境によっては高額になるケースもありますので、やはり更地のほうが好まれるものです。
そう考えれば、建物を残しておくよりも、解体しておけば早く売れる可能性を秘めているといえるでしょう。

しかし、建物を残しておくことのメリットがあるのです。
『固定資産税の軽減措置』があります。
実は建物を残しておくと、更地の状態での固定資産税の最大1/6ほどの金額になるという軽減がありますので、所有している方からすれば非常にありがたいお話なのです。
更地にしてあったほうが早く売れるという可能性はあるにしろ、それがいつ売れるかは定かではない以上、売れるまでは自分で固定資産税を支払わなければなりません。
2年も3年も売れ残ってしまえば、その分の税金は支払うわけですから、やはりこの軽減措置を受けておきたいものです。
もちろん、解体費用がかかるというのも、空き家が残っているひとつの理由にはなります。

このように、建物を残しておく上でのメリットがありますので、放置してでも残している所有者の方がいるということなのです。

しかし今、その放置された空き家が問題になっており、近隣の住民に悪影響を及ぼしているケースがあります。
そのため『特定空き家』に指定された物件に関しては、上記の軽減措置の適用外とし、最終的には撤去命令が出されることになると考えられます。

『特定空き家』とは?

特定空家について、空き家対策特別措置法では次のような状態にある空き家と定義しています。
(第2条2項)

1.そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態

部材の破損や基礎の不動沈下などによる建築物の著しい傾斜、基礎と土台の破損・変形・腐朽など建築物の構造耐力上主要な部分の損傷、屋根や外壁などの脱落・飛散のおそれ、擁壁の老朽化などが例示されています。

2.そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態

建築物が破損し石綿が飛散する可能性、浄化槽の破損による臭気の発生、ごみの放置・不法投棄による臭気の発生やネズミ、ハエ、蚊の発生などが例示されています。

3.適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態

景観法にもとづき策定した景観計画や都市計画に著しく適合しない状態になっている、屋根や外壁が外見上大きく傷んだり汚れたまま放置されている、多数の窓ガラスが割れたまま放置されている状態などが例示されています。

4.その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

立木の腐朽・倒壊・枝折れ、立木の枝が近隣の道路にはみ出し通行を妨げている、動物が棲みつくことによる周辺への影響、不特定の者が容易に侵入できる状態などが例示されています。

「居住その他の使用がなされていないことが常態である」ということの判断基準として、1年間使用されていないことが1つの目安となるという考えが「基本指針」で示されました。
「常態である」とは、建築物等が長期間にわたって使用されていない状態をいい、例えば、概ね年間を通して建築物等の使用実績がないことは1つの基準となると考えられる、ということです。

残念ながら、空き家に対する世間の目は厳しくなってきていると言えますので、どんな決断を下すのかが重要なポイントになってきています。

もし、今でなくとも将来的にその家に住む可能性があるならば…
・維持・管理を行う。
・期間を区切って、誰かに貸す。(定期借家契約)

もし、将来的にも住む可能性が無いならば…
・売却する。
・賃貸物件として出す。
・更地にして、駐車場など別の土地活用法を考える。

多くの場合は、相続によってこの問題に直面することになるでしょう。
家族の思い出が詰まった実家のことですから、簡単に結論が出ないこともあるでしょう。
しかし、どこかで必ず決断しなければならない問題でもありますので、上記のようなことを踏まえながら、ある程度の心の準備をしておくことが大切です。
まだどうするかが決まる前でも、一度不動産会社に相談してみることもオススメします。

Copyright(c) みかど土地開発株式会社 All Rights Reserved.